DJI Osmo Pocket
2018年11月29日、DJIよりOsmo Pocketが発表されました。
Mavic2発売時に「カメラ部分取り外し式で手持ちが可能になるか?」という憶測もあったのですが完全な別物としての開発だったのですね。
操作系は最小限に抑えられているものの小型タッチスクリーンモニター付きでこれまでのOsmoのように必ずしもスマートフォンなどを接続しなくても映像確認しながらの撮影が可能となります。
驚くべきはその重量で本体重量116gしかありません。スマートフォンでの撮影を前提としたOsmo Mobile2の重量が485gもあることを考えると驚くべき軽さです。
この軽さとサイズでしたらデジカメ代わりに常にカバンの中に入れておくのも苦ではなさそうです。
主要スペック
サイズ 121.9mm×36.9mm×28.6mm
重量 116g
センサー 1/2.3インチCMOS
レンズ FOV:80°F2.0
ISO感度 100〜3200
最大静止画サイズ 4000×3000ピクセル
動画解像度 3840×2160(24〜60p)、1920×1080(24〜60p)
最大ビデオビットレート 100Mbps
バッテリー動作時間 140分
GoProとの比較
Osmo Pocketはアクションカメラというジャンルではないと思いますが参考までにGoPro HERO7と基本性能比較をしてみました。
カメラ性能
1/2.3インチセンサーということでMavic Airとほぼ同等のスペックとなっています。
レンズはFOV 80°、35mm判換算で26mm相当といったところです。
Mavic AirはFOV85°、35mm判換算で24mmですので若干ですが望遠よりになっています。
アクセサリー(拡張性)
■Osmo Pocketワイヤレスモジュール 7,600円
■Osmo Pocketコントローラーホイール 7,600円
■Osmo Pocketアクセサリーマウント 2,500円
※Osmo Pocket拡張キットで上記3点+32GB microSD付きで14,200円も販売されています。
■充電ケース(未発売)
■3.5mmアダプター(未発売)
■NDフィルターセット(未発売)
■延長ロッド(未発売)
■防水ケース(未発売)
コンパクトさを追求するあまり、けっこう必要な機能がオプション設定となっています。
個人的にはジンバル方向コントロールのためのコントローラーホイールがほしいところですが、直感的に操作できるジョイスティックではなく
縦横方向をスライドで切り替えてホイールで操作するという方式のため、悩むところです。
特に動画撮影ではNDフィルター※1が必須なのですが、早急に販売開始していただきたいものです。
※1 動画撮影の場合、映像を滑らかにするためにカメラ側のシャッター速度を低速にするのが鉄則です。その場合、晴天時の屋外などはNDフィルターで光量を調整しないと真っ白な映像となってしまう場合があります。
スマートフォンアプリ
ストーリーモード、各種オプション設定、編集機能など専用アプリ「DJI Mimo」で行えます。スマートフォン接続が前提なので同梱のアダプターもしくはオプションのワイヤレスモジュールが必要になります。
注意)2018年12月時点で「近日リリース予定」となっており、アプリ実装は少し先になるようです。
12月11日頃よりアプリがダウンロードできるようになりました。
同梱品
「本体、カバー、USB-Cアダプター、Lightningアダプター、電源ケーブル」が同梱されており、そのほか動画記録用のmicroSDがあれば最低限の撮影は可能です。
初期設定を行うときにスマートフォンなどのデバイス接続が必要なのですが、MicroUSBアダプアタは同梱されていませんので注意が必要です。
おそらく市販の変換アダプターで接続可能だと思いますがDJI公式では動作保証しておりません。
ジンバルでの歩き撮影
手持ちジンバルで歩き撮影をする場合、カメラを中心とした3軸はジンバル制御により安定するのですが、上下(Z軸)の揺れだけはどうにもなりません。
但し、ほんの少し歩き方を変えるだけで驚くほどスムーズな動画になりますのでジンバル初心者の方は是非実践してみてください。
それは「腰を10cm落として歩く」だけです。
撮影者の見た目はちょっと・・・ですが、歩き動画の質が変わります。
Osmo Pcket 総評
「良い点」
究極のコンパクトさ、そしてカメラ一体型なのでセッティングも容易。
散策、旅行、使い道は無限大です。
カメラ性能もファミリーユースとして考えた場合は申し分ありません。
今後販売されてくるであろうカラフルでオシャレなカバーとかでデザインを楽しむこともできると思います。
電動ジンバルの宿命ですが、ジンバル部分が繊細で扱いには気を遣う必要がありますが、このサイズはたまらなく魅力です。
「悪い点」
これまでのDJI製品を見ると「とりあえず本体ができたから発売開始してしまえ」というスタンスで、今回も数点のアクセサリー及びスマートフォンアプリが未完成、未発売の状態です。
アクセサリーが豊富なGoPro製品と比較するとどうしても見劣りしてしまうのですが、ほどなくサードパーティーから様々なオプションが販売されるようになるでしょう。
スマートフォンアダプター…USB-CとLightningアダプタが同梱されており、スマートフォンが接続できるようになっていますが、スマートフォンをこのアダプターで接続したまま動画撮影となると明らかに強度不足だと思います。
スマートフォンをホールドできるアクセサリーが発売されるまでスマートフォンを接続した状態での撮影はお勧めできません。
ワイヤレスモジュール…上記スマートフォンアダプターが使えないとなると、Bluetoothでスマートフォンとワイヤレス接続するのがよいのですが、本体との一体感はなく充電スタンドのようなデザインはいただけません。
管理人的にはもう少しサイズが大きくなってもBluetoothは内蔵してほしかったと思います。
「結論」
いくつか問題点はあるものの結局ほしくなる一品です。
Mavic Airとセットで持ち歩き、空と陸の個人撮影を楽しみたいものです。
クリスマスプレゼントで自腹GETすることでしょう・・・
Osmo Pcket レビュー、使い方
やっと届いたOsmo Pocket、やはり現物は梱包状態含めとても小さいです。
本体の他付属品は本体と携帯端末接続用のUSB-C及びLightningコネクタ、充電用のUSB-Cケーブル、ケース、ストラップとなっています。
ストラップはケースにのみ取り付け可能で本体は不用意に落とさないように注意が必要です。
ケースに入れた状態でもコンパクトさは変わらず、まさにポケットカメラですね。
本体単体でも一通りの操作は可能、画面を上下、左フリップすることで各種メニューが出てきますがやはり画面もミニミニサイズ、一通りの操作に慣れるまではDJI MIMOを使うことになりそうです。
ちなみにアクセサリーはまだなにも購入していません。
最終的にどのような使い方になるのか見極めてからチョイスしようと考えています。
DJI MIMOアクティベート
Osmo Pocket単体での運用も可能ですが本体モニターがかなり小さい為、設定も確認もかなりしんどいです。
専用アプリ「DJI MIMO」によりスマートフォン、タブレットでの操作が可能となります。
但しDJI MIMOを使う場合には本体とのアクティベート(認証処理)が必要になりますのでご注意ください。
アクティベートにはDJIアカウントが必要になりますので事前登録しておくことをお勧めします。
※アクティベート時に登録することも可能。
初回アクティベートはスマートフォンとOsmo Pocketと接続、電源投入するだけで自動的に開始され、画面の通り進めてDJIアカウントを入力するだけで完了します。
尚、アクティベートすることにより1年間のメーカー保証登録、開始となります。
DJI MIMOアプリ
DJI製品を使ったことのある方には見慣れた画面です。恐らく説明なしに操作することが可能でしょう。
TOPページに毎回アクティベートのチュートリアル動画があるので邪魔ですが、本体を認識することでメイン画面に切り替わります。
スマートフォン、タブレットの相性によっては反応が悪い時もありますが電源投入したまま本体を抜き差しすると認識されると思います。
※メニューの視認性をよくするためマニュアル設定で画面を真っ暗にしています
ジンバル設定
画面左のメニュー2段目でジンバル設定ができます。
設定項目は「追従速度(低速/高速)」「動作モード(フォロー/固定/FPV)」
FPVモードとは一人称視点、簡単に言うと飛行機の操縦席に座って眺めている感じで、左右の傾きがそのまま反映され躍動感のある映像になります。
画像設定
解像度:1920×1080(1080p)
FPS:24,25,30,48,50,60(スーパーファイン撮影はFPS30以下)
解像度:3840×2160(4K)
FPS:24,25,30,48,50,60(スーパーファイン撮影はFPS25以下)
ISO:100〜3200
シャッタースピード:1/8000〜1/25(写真撮影は1/8000〜8秒まで)
タイム(モーション)ラプス
右側のメニューにてタイムラプスを選択、画面上部に設定項目があります。
撮影間隔:3秒〜60秒
撮影時間:∞、5分〜300分
モーションポイント設定:4ポイント
アクティブトラック
本体またはDJI MIMOの画面上で被写体とタップ又はドラッグで四角囲いすることでアクティブトラックが有効になります。認識性能は被写体によりますが簡単で便利な機能です。
ストーリーモード
ホームボタンで初期画面に戻り画面下の「+」ボタンで映像確認画面になります。その画面で右側上に「MY STORY」を選択するとストーリーモードになります。
各シーンを選択してそのシーンで使う動画を選択すると自動でショートムービーを作成してくれるのですが編集動画時間、BGM、テロップなど自由度はないので今のままでは用途は少ないです。今後のアプリアップデートで機能拡張されることを期待しましょう。
Osmo Pocketアップデート
アップデート配信時は本体とスマートフォンを接続した時にTOPページに案内表示されます。
即アップデート可能ですが、この時Osmo Pocketにmicro-SDカードが入っていないとアップデートができませんのでご注意ください。
本体、携帯端末との接続
懸念はしていましたが、スマートフォンなどの携帯端末の端子(USB-C、Lightning)に直接Osmo Pocketを接続して使うとかなり不安定です。個体差はあると思いますが、ちょっとした振動で本体が抜け落ちそうです。
ちょっとテーブルの上に置くにしてもジンバル部が干渉しないようにしないといけませんので何かと不便です。
サードパーティーから本体とスマートフォンをより確実に保持し三脚などに取付できるホルダーが販売されていますが、スマートフォンのカバーを外さないと取付できませんので面倒くさがりの管理人的にはNGです。
慣れるまではより大きな画面を使いたいのでiPadとOsmo Pocketは延長ケーブルで接続しています。
別途この状態で一体運用できるように考えてみたいと思います。
公式ではバッテリー稼働時間140分とありますが悩みながら色々いじっていると結構あっという間にバッテリーは無くなります。
しばらくはモバイルバッテリーも付けたままとなりそうですね。