ドローンの代名詞ともなったDJIのPhantomシリーズ、現行機種の「Phantom4 Pro」「Phantom4 Advance」は優れた飛行性能、撮影性能、安定性を誇り世界中の空撮ファンを魅了しています。このページでは「Phantom4 Pro」を中心にレビューしています。:SkyMedia

Phantom4 Pro レビュー

2016年12月に発売開始となったPhantom4 Proについてのレビューです。

 

発売から1年ほど経過していますが4K60fps対応を始め、5方向障害物検知システムなど安定性に優れ扱いやすい機種でドローンとして最初の1台としてもお勧めの機種です。

 

そろそろPhantom5?という憶測も飛び交っていますが現行機種の完成度が高いので当面は現役で使えると思います。

 

2018年1月現在、Phantom4 Pro、Phantom4 Pro+、Phantom4 Pro Obsidian、Phantom4 Pro+ Obsidianの4機種が販売されています。

 

+はディスプレー有無の違い、Obsidianはカラーリング(マットグレー)の違いとなっています。

 

 

■Phantom4 Pro+

 

+についているディスプレーはサイズ5.5インチ、解像度1080p、輝度1000cd/m2とスペック的にはCrystalSkyの5.5インチバージョンと同等性能で35,000円のUPで購入できます。

 

5.5インチCrystalSkyは60,800円なのでDJIドローンを複数台持たないのであればお得製品です。

 

■Phantom4 Pro(+) Obsidian

基本、色の違いだけなのですがマットグレーの場合はドローンの視認性が向上するなどのメリットがあります。

 

ホワイトバージョンの場合、期間限定ではありますがインテリジェントフライトバッテリーを1個付属など実質的な値引きもしていました。

 

  

 

■記事内容〜ジャンプします■
→ スペック(抜粋)
→ 各種センサーとピンポジショニングシステム
→ 飛行時間(バッテリーと充電器)
→ フライトモード
→ リターントゥホーム(RTH)
→ 便利な飛行制御機能
→ ポータブルバッテリーでの充電
→ その他
→ 総評

 


基本スペック(抜粋)

重量 1,388g(バッテリー含む)

 

最大離陸重量 1,500g

 

GPSホバリング精度 
垂直:±0.5mまたは ±0.1 m (下方向のビジョンシステム有効時)
水平:±1.5mまたは±0.3 m (下方向のビジョンシステム有効時)

 

運用限界高度 (海抜) 6,000m

 

最大風圧抵抗 10 m/s

 

最大飛行時間 約30分

 

動作環境温度 0〜40℃

 

対角寸法(プロペラを含まず) 350mm

 

最大速度 72km/h (Sモード) 、 50km/h (Pモード)

 

障害物検知範囲 0.7〜30m

 

障害物検知角度 
前方ビジョンシステム:60° (水平方向)、±27° (垂直方向)
後方ビジョンシステム:60° (水平方向)、±27° (垂直方向)
下方ビジョンシステム:70° (前後)、50° (左右)

 

赤外線検知システム(左右) 検知範囲0.2〜7m 検知角度70°(水平)、±10°(垂直)

 

バッテリー 容量:5870mAh 電圧:15.2V 電力量:89.2Wh 重量:468g

 

カメラ 1インチCMOS 有効画素数20M

 

レンズ 24mm、f/2.8〜f/11、オートフォーカス1m〜∞

 

最大静止画サイズ 5472×3078(16:9)

 

4K動画(H.264) 60fps 100Mbps

 

FHD動画(H.264) 120fps 100Mbps

各種センサーとピンポジショニングシステム

 

スペックデータでは色々とややこしい説明となっていますが、要約すると超音波センサー、イメージセンサー、障害物検知システムなどを組み合わせて

 

@ 前後方向、左右方向はアラームと機体停止機能

 

A 下方は距離検知と画像認識によるホバリング、着陸精度向上

 

と、上方以外はすべてセンサーで監視してくれるというものです。特に前後左右については細い小枝など以外はほぼ検知してくれるので安心して飛行させることができます。
※もちろん過信は禁物です

 

逆に、撮影などであえて室内や狭い場所での飛行をする場合は障害物センサーが邪魔になる場合もあります。(検知範囲を狭くしたりOFFにしたりすることもできます)

飛行時間(バッテリーと充電器)

インテリジェントバッテリーの容量UP(5870mAh)で飛行時間が最大30分になりました。

 

但し、DJIGO4アプリのデフォルト設定ではバッテリーアラーム発動が30%になっていますので実質飛行時間は20分となります。

 

アプリ上でアラーム発動を少なく変更することは可能ですが、目の前での飛行練習以外では安全のため30%のままにしておくべきです。

 

標準付属の充電器は1回の充電につき1個のバッテリーしか充電できず、充電が面倒なので社外品の充電器を使用しています。

 

※社外品使用は自己責任で

 

追加でバッテリーを3〜4個購入しておけば充電しながら連続してフライトさせることが可能となりますが、Phantomシリーズ共通バッテリーとかにしてもらえるとありがたいのですが…。

 

  

 

フライトモード

他DJI製品同様フライトモードは3種類となります。

 

■P(Positioning)モード GPS、ビジョンセンサーを使い、インテリジェントフライトモードなど高度な制御、飛行が可能となります。

 

■S(Sport)モード GPSは適用されますが前方/下方のビジョンセンサー及びインテリジェントフライトモードが無効になります。

 

■A(Atti)モード 機体は気圧計によってのみ行われ、インテリジェントフライトモードなども無効になります。

 

フライトモードの切替は送信機左上のKフライトモード切替スイッチにより行います。

 


 

リターントゥホーム(RTH)

こちらも他DJI製品同様3種類のリターントゥホーム(RTH)を備えています。

 

安全飛行、危機回避に非常に有効な機能ですので機能、操作及び機体の挙動は必ず覚えておくようにしましょう。

 

 

■スマートRTH ホームポイントが記録されている場合(離陸時に4個以上のGPS受信が条件)、送信機のRTHボタンを操作することでホームポントへの自動帰還をします。

 

ビジョンセンサーが有効(十分な明るさ)な場合は前方障害物を検知、上方へ回避しながらの帰還となります。

 

ビジョンセンサーが無効な場合は障害物回避ができないのでアプリ設定のフェールセーフ高度(任意設定可能)による帰還になりますので飛行環境を見たうえで余裕を持ったフェールセーフ高度設定をしましょう。

 

以下共通となりますが、ホームポイントへの自動帰還は機体との距離が20mを超える場合に適用され、ホームポイントから20m以内でのRTHは「その場で着陸」となり、周辺の障害物を検知する着陸保護機能(0.7m上空でホバリング、着陸の指示を待つ)は備えていますが、意図しない場所への着陸もありえるので注意が必要です。

 

■ローバッテリーRTH ホームポイントからの高度、距離でバッテリーの必要残量が計算され、ローバッテリーアラームが発動します。

 

なにもしないと10秒で自動帰還を開始しますがアプリ画面の取り消し又は、送信機のRTHボタンを押すことで自動帰還を解除し操縦することが可能となります。

 

■フェールセーフRTH 送信機信号喪失時に3秒でフェールセーフモードが発動し、機体は飛行しながら記録した経路により最適な期間ルートを飛行しながらホームポイントに向けて帰還を開始します。

 

但し帰還途中に送信機との通信が回復した場合はフェールセーフRTHは解除され送信機での操作が可能となります。

 

便利な飛行制御機能

■フォローミー

 

送信機(モバイルデバイス)を機体が追いかけてくる機能です。

 

ActyvTrackの対象が送信機になった版で使う機会は少ないと思います…。

 

■コースロック

 

任意の方向でコースロック機能を有効にすると、機体がどの方向を向いていてもピッチレバー(前進・後退)はそのコース方向に進む(又は後退)するようになります。

 

ロックされた特定の方向に進みながらヨー操作でカメラの向きを変える、又は対象をとらえ続けることができるため思い通りの空撮が可能となります。

 

エルロンの操作も可能なので対象との距離調整も簡単にできてしまいます。

 

■ホームロック

 

上記コースロックは進行方向をロックすることに対してこちらは進行方向はホームポイントにロックされます。

 

ピッチレバー(前進・後退)操作はホームポイントに(近寄る・離れる)となります。

 

機体を目視ロストし、「どの方向に飛んでるかわからない」というときにはホームロックで確実に戻すことが可能です。

 

■ポイントオブインタレスト

 

自動ノーズインサークルです。

 

対象を中心として周りを旋回してくれる機能ですが、操縦技術向上のためこの機能は使わず、手動で安定したノーズインサークルができるように練習しましょう。

 

DJIキャンプでもATTI(GPSなし)モード、ピンポジショニングoffでのノーズインサークルのテストがあり、ドローン操縦の基礎ともいえる飛行技術になります。

 

■TapFly(タップフライ) 

 

画面上で指示した場所へ障害物を回避しながら自動飛行します。

 

発動条件「2m以上の高度でPモードでの飛行、又はホバリング中」。

 

アプリ左側の送信機マーク をタップ→TapFly をタップ→画面上の目標をタップ。GO アイコン表示を待ち確認すると目標地点へ自動飛行します。

 

Phantom4ProのTapFlyには3つのモードがあり。

 

「TapFly前進」タップした目標に向かって前進、機体固定(ビジョンシステム有効)
「TapFly後退」タップした目標の逆方向に飛行、機体固定(ビジョンシステム有効)
「フリーモード」タップした目標に向かって前進、ヨー方向操作可能(ビジョンシステム無効)

 

フリーモードで飛行経路を指定してカメラの方向は自分で操作することにより色々な構図での撮影が可能になります。

TapFlyは画面上の ボタン又はピッチレバー3秒引き戻し、送信機のIインテリジェントフライト一時停止ボタンで可能。

 

個人的には送信機のボタン操作が確実、安心だと思います。

 

■ActiveTrack(アクティブトラック)

 

認識した対象を後方から障害物回避をしながら追尾(トレース)又は特定の方向、ヨー軸のみ対象に固定し機体は自分で操作(スポットライト)、一定の角度を保って追尾(プロフィール)の3種類のモードがあります。

 

Phantom4はカメラ単体でヨー回転できませんので、スポットライトは便利な機能です。

 

前述したTap Flyのフリーモードの逆バージョンのような感じです。

 

 

発動条件「2m以上の高度でPモードでの飛行、又はホバリング中」。

 

アプリ左側の送信機マーク をタップ→ActiveTrack をタップ→画面上の目標をタップまたはドラッグしてボックス囲み。

 

ボックス囲みの場合対象が認識されると緑色になります。

 

ActyveTrackは画面上の ボタン又は送信機のIインテリジェントフライト一時停止ボタンで可能。

 

本機能は動きのある被写体を追尾しながら撮影するのは優れた自動飛行機能です、しかし飛行が複雑になるほどリスクも高くなりますので◎障害物の無い開けたところ、◎バッテリー残量は十分であること、◎機体の飛行経路を予測しながらいつでも停止できるようにIの停止ボタンには常に指を掛けておくことを心がけてください。

 

■Draw(ドロー)

 

アプリ左側の送信機マーク をタップ→Draw をタップ、更に画面上で飛行経路を指示して で自動飛行開始となります。

 

飛行中はカメラ方向など操作が可能で、障害物検知機能も有効となります。

 

飛行終了(停止)は画面上の ボタン又はピッチレバー3秒引き戻し、送信機のIインテリジェントフライト一時停止ボタンで可能。

 

上記コースロックとこのDraw機能は空撮の幅を広げてくれる実用的な機能ですので是非使いこなしてください。

 

■ジェスチャーモード

 

セルフ写真撮影(静止画のみです)用の機能で被写体の認識〜シャッター操作ができます。

 

 

 

 

ポータブルバッテリーでの充電

こちらの記事をご覧ください。

 

→ ポータブルバッテリーの記事

その他

素晴らしい性能を誇るPhantom4 Proですが、気になる点もなくはありません。

 

■ジンバルカメラカバーがしょぼい
購入後1か月で破損しました。(扱いが悪かったのもありますが)
現在はサードパーティーのカバーを使っています。

 

■ランディングギア(スキッド)が弱い
3mほどの高度から強制着陸(ほとんど墜落ですが)したときにランディングギアが曲がってしまいました。
現在飛行に支障はないのでそのまま使用しています・・・。

 

■ケース
Phantom4のケースは購入した時の梱包材がそのままケースとして利用できるようになっています。
しかし、追加バッテリーなど入れられるものが限られてしまうので専用ケースを使われている方も多いと思います。
管理人は下記ケースで少し大きめですが、Crystalskyも入りますしプロペラを付けたまま運搬できるので重宝しています。

総評

成熟した機能、性能でとても扱いやすく、初めてのドローンでも安心して飛ばすことが可能です。

 

Phantom5が発売されたとしても当分は現役で使われることでしょう。

 

Phantom4 AdvanceはProの基本性能はそのままに、後方ビジョンセンサー、側面の赤外線センサーを排した物となっており価格がお求め安くなっています。

 

ドローンに慣れていて飛行技術に自信のある方はAdvanceも選択肢になると思います。